ご挨拶
「食のバリアフリー化をもたらす画期的技術」
従来より介護の現場では、「口から食べる」ことの有益性が十分認識され、さまざまな努力、工夫がされてきましたが、QOL(Quality of Life)の視点で見ると未だ発展途上の感があります。施設内調理あるいは外部委託して調理した食事の多くは、喫食者に合わせて再加工(刻み、すり潰し、軟らかさの調製)する必要があり、手間がかかる上に、料理本来の見た目と異なるため食欲が湧かず、食事に長時間を要するなど喫食者のみならず調理師や介護者にとっても大きな負担となっています。その結果、介護者の人手不足といった施設経営にとって深刻な問題も生じています。
そのような中、広島県立総合技術研究所食品工業技術センターが開発した広島県保有特許技術「凍結含浸法(とうけつがんしんほう)」は、見た目はそのままで、歯茎や舌で簡単につぶせるほど軟らかい介護食をつくることができ、食のバリアフリー化をもたらす画期的技術として注目されています。現在多くの食品関連企業が、この技術をベースに様々な機能性食品の研究開発に取り組んでおり、商品化も進んでいます。
しかしながら、凍結含浸法は特殊な酵素を利用する工業技術で、一般の厨房での利用にはなじまないといったイメージがありました。そこで、厨房現場で凍結含浸法を利用しやすくするために、広島県と当社が所属する福山機能食品研究会が共同研究の末、開発された商品が凍結含浸専用調味料TORON「とろん」です。
「真空包装機不要の酵素拡散法」
また、少人数施設やご家庭用に、真空包装機不要で冷凍冷蔵庫でできる新やわらか食製造法新やわらか食製造法「酵素拡散法」を開発いたしました。真空包装機などを必要とせず、冷凍冷蔵庫があれば比較徹簡単に形状保持のやわらか食を作ることができます。
「食べる楽しみを再び取り戻していただく」
TORONは、現在、野菜用(主に根菜・豆類)のVgTORON「ベジとろん」、緑色野菜用のVgTORON G「ベジとろんグリーン」、肉・魚介類・きのこ用のMeTORON「ミーとろん」があります。食事で不自由な思いをされている要介護者や病気の方に「食べる楽しみを再び取り戻していただく」ことはもちろんのこと、介護する方の負担や施設の経費削減、調理工程における加熱時間の削減等による厨房作業環境改善、さらに喫食率向上による残食の減量化といったECOやSDGsの実現等、貴施設のクオリティーの更なる充実のために、このTORON「とろん」をご活用いただけましたら幸いです。